ある日突然、ハードディスクから異音が発生し使えなくなった。
重要なデータが保存されているので、何としてもデータを復旧しないといけない。
データ復旧専門業者に持ち込んだところ、「重度障害」で「ハードディスクの分解作業」を実施しないと言われた。
特殊な作業なので、高い技術と専用機材が必要と説明された。
特殊な作業ってどんな作業?
今回は、重度障害のハードディスクの分解作業について、できる限りわかり易く説明させていただきます。
PC3000というデータ復旧用の専用ツールでハードディスクの障害具合を調査し、作業方針を決めます。
「本当に分解作業が必要かどうか?」を見極めることが大切です。
障害の判定を見誤ると、必要のない分解作業でハードディスクの状態を悪化させてしまう可能性が
あります。
「下手な外科医ほど手術をしたがる」というわけではありませんが、最善の方法でデータ復旧を行う為には、豊富な知識と経験で正確な初期診断を行うことが重要です。
<補足>
PC3000とは、国内のデータ復旧専門会社で最も使用されているデータ復旧の専用ツール。一般的なパソコンやソフトウェアではできないハードディスク制御や制御情報の修復を行うことができ、ハードディスクの診断やデータ復旧になくてはならない機器です。
損傷パーツの交換作業を行います。
交換する代表的なパーツは、「ヘッドパーツ」「基盤」「モータ」となります。
重度障害のハードディスクの99%以上が、この3つのパーツのどれかが原因です。
「ヘッドパーツ」・・・ハードディスクに記録されたデータの読み書きをするパーツ
「モータ」・・・データが記録されている円盤(プラッタ)を回転させるモータ
「基盤」・・・外部デバイスからの信号の送受信やハードディスクへの電源供給の為のパーツ
ハードディスクは元々、修理することのできない精密機器ですので、交換用パーツはパーツが適合するドナーハードディスクから移植する形で行います。ヒトの移植手術と同じで適合するドナーハードディスクの選定には、多くの経験から得られる知識が必要になります。
また、ハードディスクは非常に精密な機器の為、作業時にパーツ同士がほんの少し接触しただけでパーツが損傷してしまいます。パーツ交換を失敗しない為には、あらゆるメーカー、あらゆる種類のハードディスクの構造を個別に理解し、適切な手順で行う必要あります。
ハードディスクの分解作業が職人技ともいわれる理由です。
ハードディスクは元来、修理のできない精密機器です。損傷パーツを交換したとしても完全に元の状態になることはほとんどありません。完全に壊れた状態から、かろうじて動作する状態になったに過ぎません。
そこで、確実にデータ復旧を行う為にクローン作業を行う必要があります。
専用機器PC3000でハードディスクの制御を行いながら障害ハードディスクの記録情報を読み取り、読み取れたデータを常なハードディスクに書き写します。そうすることで、障害ハードディスクと同じ記録情報をもった正常に動作するクローンハードディスクを作成することができます。
この作業をクローン作業と呼びます。
クローン作業中に、交換パーツが再度損傷して、パーツ交換を繰り返し行う必要がある場合もあります。記録面に傷があり読み取れない場合、部分的に読込時間を変える等の処置を行い、できる限り100%の精度に近いクローンハードディスクの作成を試みます。
作成したクローンハードディスクから必要なデータを保存用ハードディスクにコピーします。クローンの精度が悪く、そのままではコピーできない場合は、復旧ソフトウェアでスキャン作業を行う場合もあります。
コピーできたファイルをランダムで開き、正常確認を行い破損ファイルの状況をチェックし理論上の復旧率を算出します。
最終的にはお客様に復旧できたデータの確認を行っていただき、必要なデータが十分に復旧できているかどうかをご判断いただきます。
重度障害のハードディスクのデータ復旧作業で行う分解作業をご紹介させていただきました。
本来、修理のできない精密機器のハードディスクに応急処置を行い、専用機器で制御してデータを取り出すという通常ではありえない特殊な作業が分解作業です。
ごく稀にネットで動画を参考に分解作業を行おうとする方がいらっしゃいますが、とても無謀な挑戦といえるでしょう。
ハードディスクが認識しない。「カチカチ」や「ジーッ」と異音がする場合は、重度物理障害の可能性が高い為、データ復旧専門の会社に診断してもらうことを強くおススメいたします。
クイックマンはスタッフ全員が高い技術力と対応力をもったプロフェッショナル集団です。
まずは、お電話でお客様のお困り事をお聞きいたします!
突然の機器トラブルの際にはクイックマンまで是非ご相談ください!Edit