データ復旧事例

RAID0で組んでいたデータ用ドライブ(ST1000DM003)からのデータ復旧(物理障害　高知県高知市　デザイン業)

投稿日：2023.04.27 更新日：2023.04.27

メーカー：Seagate製
型番：ST1000DM003
症状：フォーマット要求が表示されてデータが見れない
障害：物理障害
費用：99,800円 (税込109,780円)～
期間：4日程度

※オプション料金別

お客様より

独立をきっかけに、新しいパソコンを準備した自作PCです。以前からプライベート用に何度か組んだことがあるのですが、RAIDを試してみたかったこともあり、仕事用のPCにてデータ用のドライブでRAID0を組んでみることにしました。5年ほど特にトラブルもなく使用できていたのですが、先日作業を行っている最中に突然フォーマットしてくださいという表示が現れました。データ復旧が必要ということは理解していたので、とりあえずフリーソフトを試してみたのですが、ファイルが見つかってもほぼすべてのファイルが破損しているため、専門業者に依頼することにしました。保存していたデータのほとんどはイラレのデータとJPGやPNGのファイルです。

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診断の結果

専用機器にてお預かりした2台のハードディスクに対して初期診断を行ってみました。1台は特に物理的な障害が発生しているという様子ではなかったのですが、もう1台からはデータ領域内に不良セクタの発生を確認したため、物理障害での対応を行うことにしました。

復旧作業にチャレンジです

専用機器にて2台のハードディスクのクローン作業を行いました。障害の発生を確認しなかったハードディスクについては、全領域問題なく情報の取得を完了させることができました。不良セクタを確認したハードディスクについては情報を読み出すための負荷調整を行ってクローン作業を行うことで、全体領域の99.999%程度を取得することができました。作成したクローンディスクにてRAID0の再構築を行おうとしてみたのですが、ディスクを認識するのみでRAID0の再構築を行えていなかったため、2台の情報解析を含めた高度解析を行い、RAID0に再構築を行いました。再構築後のデータ領域は、一部のフォルダやファイルは読み出せていたのですが、データ量的にお客様より伺っているデータ量より少なかったため、解析作業を行うことにしました。解析作業の結果、お客様よりうかがっているデータ量よりは増えていましたが、ほとんどのフォルダやファイルの構成を読み出せているようだったので、取り急ぎデータの一時確保を行うことにしました。

復旧作業の結果

一時したデータの中にお客様から伺っているJPGやPNGのデータ、エクセルやPDFなどのファイルを30ファイルずつ選択し、ファイルのオープン確認を行ってみたところ、選択したファイルすべて正常に開けることを確認できたため、取得できたデータのリストとJPGデータのサムネイルを作成し、お客様に確認を行っていただくことにしました。フォルダ構成は確認の範囲内では大丈夫そうだけど、念のために確認し行っていただきたいとのことで、リスト上にあるファイルの内、10ファイルほどを指定いただいてオープン確認を行いました。ご指定いただいたファイルについてはすべて正常に開けたため、復旧作業成功とさせいていただき、復旧データとしてお渡ししました。

担当技術者より

RAID0はRAID技術が公開されていたころから使用されているもので、かなり古い歴史があります。しかし、耐障害性がないということから、一時期を境にほとんど使用されなくなり、現在ではRAID1(ミラーリング)で運用されていることがほとんどです。RAID0のメリットとしてはデータの読み書きが早いというところですが、デメリットはRAIDを構成するディスクが1台での障害を起こすと、たちまち使用不可になるというところです。障害状態によっては、完全にデータを諦めなければならなくなります。可能であれば、RAID1での運用に変更していただくことをお勧めします。皆様の大切なデータを失うことがないよう、ご注意ください。