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ハードディスクの処分どうしてますか？【クイックマン】

2020.03.13

昨年末、神奈川県庁にて使用されていたハードディスクがオークションサイトに横流しされデータが漏洩したというニュースはすでに日本国中が知るところです。いろんなところでいろんな方法でデータを消去する方法が紹介されていますが、一体どれがいいの？というのが皆様の疑問ではないでしょうか。今回クイックマンでは、あくまでデータ復旧技術者の観点からという前提条件がありますが、ハードディスクの処分方法についてご紹介したいと思います。

①物理破壊

何かしらの機器を使用してハードディスクが物理的に稼働できなくしてしまう方法です。簡単な話が、プラッタを破壊して読めなくしてしまうだけです。1台いくらで専用機器を使用して破壊作業を行ってくれる業者さんは多々ありますが、これは簡単に皆様でも行うことができます。
金づちとポンチやキリなどの先が細くなっている器具さえあれば、皆様でも簡単にハードディスクを破壊できます。
ハードディスクのラベル側からポンチなどをあてがってガンガン叩くだけです。多少力がなくても5ミリくらいへこませれればハードディスクの動きに支障が出るので、それを3が所くらい行えば大丈夫です。

物理破壊されたプラッタは変形するか粉々に割れるためデータ復旧を行うことはまずできません。行えるとしても金額が青天井な状態になる可能性が非常に高く現実的ではありません。

②電気的破壊

電子機器を電子レンジなどに近付けると壊れてしまったという経験をされたことはございますでしょうか？強い磁気が発生する場所ではデータはきれいさっぱりと消し飛ばされることがあります。これを機械でやってしまおうというのが電気的破壊です。こちらを行うと、確かに見た目は壊れていないですが、ハードディスクが動くために必要なプログラムがないため、通電させてもまともに動くことはありません。
処置が行われた後は金属資源としてしか使い道がない感じです。

③データ消去ソフト

あくまでデータ復旧エンジニアとしてですが、お勧めしたいのがこちらです。
有料無料、消去方式などの違いで様々なソフトがあるためこれが良い！とお勧めできるものは難しいですが、ディスク上の情報のみを消去できれば良いのであれば、データ消去ソフトで十分です。
そして、ほぼすべてのソフトで消去回数を指定できるはずなのですが、必ず2回以上の複数回消去処理を行うようにしてください。1回消去だけでは断片的にデータ復旧ができてしまうことがあります。複数回の消去処理を行うことで、データの復旧率はほぼ皆無と言えるくらいの状態にすることができます。フリーソフトの中には35回上書き設定ができるソフトもあります。いろんなソフトを是非お試しいただき、納得できるものを選んでいただければと思います。

まとめ

データ消去処理を行う・・・このキーワードだけでは対応の内容が非常に幅広いものになってしまいます。
経験上の話ですが、ハードディスクの部品交換を行う際に必要な部品は、単品販売されているところを見たことがありません。交換用部品については、型番や年式など一定の条件に適合したハードディスクの部品だけを交換用パーツとして使用することができます。いわゆる部品取り用というものです。
障害の発生状態によって、プラッタを除いてすべてのパーツが何かしらの用途で使用されるため、物理破壊や電気的破壊が行われたハードディスクからではパーツの流用ができなくなってしまいます。製造時に含まれる一部のレアメタルを除いて、ほとんどの部品が単なる産業廃棄物としてしか扱われません。

また、ちょっと昔にニュースかテレビCMで見たのですが、ハードディスクを含めリユースできるパーツを集めてWin98が動く程度のスペックのノートパソコンを作り直し、途上国の子供たちのIT教育に使用されているそうです。破壊処分される機器の中にはまだまだ使用可能な部品が残ったパソコンもたくさんあるかと思います。
これを機会にグローバルな視点でパソコンに対するエコを考えてみるのもよいのではないでしょうか？