クイックマンからのお知らせ

データ復旧技術者から見たハードディスクの中身とデータ復旧

2020.01.17

このエントリーをはてなブックマークに追加

様々な業界で専門用語や隠語って使用されていますよね。私たちデータ復旧業界でも非常にたくさんの専門用語や隠語って存在しています。初期診断の結果などをお伝えする際にできる限り想像のつきやすい言葉を選んで障害状態をイメージできるようにしていますが、ついつい表現が難しい説明の時に専門用語を使ってしまいます。これだけわかっていればとりあえずデータ復旧エンジニアのお伝えしたいことが理解できるのでは?という用語を今回は紹介します。

 

ハードディスクを開封してみました

①:プラッタ、ディスクとも言います。この中にWindowsや様々なアプリの情報、写真や動画、エクセル、ワードなどのファイル情報が磁気情報として書き込まれています。
②:ヘッド、②-1と②-2が一つのヘッドパーツとして稼働しています。②-1がプラッタ(①)上へのデータの書き込みと読み出しを行い、②-2が裏面にあるハードディスクの制御基盤への情報の送受信を行っています。また、②-1は、プラッタ(①)に接触することはありません。②-1はプラッタ(①)が回転する際に発生する風圧でごくごく僅かに浮かされた状態でプラッタ上を移動しています。
③:フィルタ、データの読み書きを行うヘッドのアーム部分(②-1)ですが、プラッタに接触してしまうと、それが原因となるひっかき傷(スクラッチ)が発生します。ディスク上にスクラッチによって発生する粉塵の流入を防いだり、空気の流れを調整するために使用されています。開封作業を開始した際にこのフィルターが真っ黒になっていると、スクラッチによる粉塵が全体に拡散している可能性が非常に高く、作業を行う前から復旧不可と判定されることがあります。

 

ヘッドとプラッタと重度物理障害について

よくハードディスクの電源を入れてカチカチ音がすると重度物理障害ですという案内を基本的に行っていますが、認識するハードディスクであっても状態によっては”重度物理障害です”と案内することがあります。

最近のハードディスクは、2枚以上の複数枚のプラッタで構成されていることが多く、各プラッタの表裏にデータの読み書きができるようにヘッドが配置されていのが基本的な構造です。上の画像では、3枚のプラッタそれぞれに合計6本ヘッドが配置されています。実際にデータが書き込まれる場合、1枚のファイルが6分割されてそれぞれのプラッタ面に書き込まれるイメージになります。そのため、1本でもヘッドが破損していると、破損したヘッドが担当しているプラッタ上のデータが読めなくなるため、データが破損するといった結果になります。1本でもヘッドが破損してしまうと交換対応だけがデータ復旧を望める手段となります。

 また、復旧不可と判断した際のお客様への説明として、”プラッタ(もしくはディスク)に傷が入っていて・・・”という説明を行うことがありますが、この場合の傷は、スクラッチ(scratsh:擦り傷)がプラッタ上にあることを本来は意味しています。ヘッドがプラッタに擦れることによって正常に稼働するためのハードディスク内の情報が削り取られて読めなくなってしまっている状態で、削られることで発生する粉塵量が多いと、ハードディスク内に粉塵が溜まり、ディスクを回転させるたびに粉塵を撒き散らす状態になります。発生する粉塵のサイズがプラッタとヘッドの空間より大きいと、さらに傷を増やし、事態をどんどん明かさせていきます。
そのため、障害が発生した際にハードディスクの電源を入れないようにお願いしています。われわれデータ復旧技術者は、お問い合わせに電話をいただいた際に、重度障害を含めた最悪の事態を想定しながらお話を伺っています。悪質なデータ復旧業者でない限り、特にプラッタの状態などハードディスクを開封しなければ目視確認ができないパーツについては、障害状態を悪化させないために、重度物理障害での開封作業の了承をいただくことができない限り、確認を行っておりません。データ復旧をご依頼いただくお客様のために少しでも復旧成功率を下げないための対策でもあるので、電源を入れないでほしいという案内があった場合は、ご協力をお願いします。

 

こんな部品も壊れます

知らない人は知らないが知っている人なら見てすぐにわかる部品です。

メーカーやハードディスクによってデザインや使用されているパーツが違っているのですが、ハードディスクの制御基板(PCB)と言われる部品になります。

どこにどういった情報が書き込まれていて・・・といった情報は、技術上お伝えすることができませんが、このPCBの中にもハードディスクが正常に稼働するための大切な情報が書き込まれています。また、このPCB書き込まれている情報は他の同型ハードディスクでは使用することができません。20年くらい前に製造されたハードディスクであれば、PCB交換で対応可能な型番のモノもありますが、現在はまずないです。
PCBのトラブルで一番危険なのが火災です。PCBにはLSI(集積回路)が使用されています。ごくたまにですが、障害発生の原因として、LSIが焼けているということがあります。パソコンから焦げたような臭いがする場合、すぐに使用をやめてください。

 

最後に

依頼した復旧作業が成功すればプロセスはあまり気にならないと思います。しかし、復旧不可と判断された場合、前回のコラムにもありますように担当者からの説明が専門用語ばかりであったり、小難しい言葉を並べられて理解しきれないまま対応が完了されてしまうって腹が立ちませんか?
IT業界って、皆さんがきいたことないような言葉が飛び交う世界であることは間違いないです。かれこれITと言われる業界に15年近く身を置いていますが、やはり自分が経験を積んでいない分野になると、日本語で話している内容が外国語に聞こえるようなことはあります。身をもって経験していることなので、できる限り専門的な言葉を使わずにご理解いただけるように努力しています。

 

 

 

クイックマン(S&Eシステムズ株式会社) フリーダイヤル:0120-775-200

 

 

データ復旧 クイックマンへのお問い合わせはフリーダイヤル 0120-775-200まで。

 

出張データ復旧

データ復旧クイックマン 心斎橋本店

 大阪市中央区南船場2丁目12-10 ダイゼンビル4F

データ復旧クイックマン 梅田店

 大阪市北区梅田1丁目1-3 大阪駅前第3ビル2F

お問い合わせ:
  Tel:0120-775-200
  ✉:info@s-systems.jp
https://www.quickman-pc.com/rescue/