データ復旧事例

再起動後データが見れなくなったLANDISK(HDL2-A2.0)からのデータ復旧(物理障害　大阪市此花区　クリエイター業)

投稿日：2023.03.07 更新日：2023.03.07

メーカー：アイ・オー・データ製(内蔵：Seagate製)
型番：HDL2-A2.0(内蔵：ST1000DM003)　RAID0
症状：再起動後データにアクセスできない
障害：物理障害
費用：99,800円 (税込109,780円)～
期間：4日程度

※オプション料金別

お客様より

仕事のデータの保存用に使用しています。昨日の夜に作業中にデータが見れなくなってしまったため、再起動を行ってみると、起動時のビープ音はなるのですが、起動完了のビープ音がいつまでのならないという状態になりました。1台ずつUSBで接続できるスタンドにつないでみましたが、特に障害はないような感じです。画像と動画のデータが最重要です。よろしくお願いします。

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診断の結果

専用機器にて初期診断を行ったところ1番で使用されているハードディスクから不良セクタの存在を確認したため物理障害での対応を行うことにしました。2番のハードディスクからは特に物理的な障害は見当たりませんでした。

復旧作業にチャレンジです

専用機器を使用して2番ハードディスクのクローン作業を開始したのですが、ハードディスク側に少しでも負荷がかかると、挙動が不安定になって情報の読み出しができなくなる状態が続いたため、作業の進捗に応じてハードディスク側の調整を行い一部の領域は取得できませんでしたが、全体領域に99.98%程度を取得することができました。念のために同時進行で1番ハードディスクのクローン作業も行い、作成した2台のクローンディスクで状態の確認を行いました。1番のクローンディスクはパーティション情報などの読み込みに対しても正常に表示されたのですが、2番のクローンディスクはパーティション情報も含めて情報の読み込みがませんでした。RAIDデータ復旧用の解析ツールにて2台のクローンディスクからRAID情報の調整を行いながら強制再構築を行ってみたところ、フォルダやファイルの存在を確認することができました。確認できたデータの一時確保を行って、確保データのオープン確認を行ってみました。PNGデータを20ファイルほど、movデータを20ファイルほど選択しオープン確認を行ってみましたが、すべて正常に開けることが確認できました。

復旧作業の結果

データ復旧作業の完了と取得できたデータの状態をお伝えしたところ、復旧成功とは思うけど念のためにデータの確認をしてみたいという要望をいただいたため、来店でのオープン確認を行っていただきました。お客様もいくつかのデータを実際に開けるかの確認を行っていただき、すべて開けることができたため、復旧作業成功とさせていただきました。納品用の媒体をお預かりし、取得データの移行を行って、復旧データとしてお渡ししました。

担当技術者より

RAID0は耐障害性がないことから、現在では敬遠されるRAID構成となっています。10年ほど前に販売された機器の中には、型番としてはRAID1という表記があるにもかかわらず、実際はRAID0というものまでありました。そもそもRAID0はストライピングと言われ、RAIDを構成するディスクに対して一定容量ごとにデータを書き込むという動きをするのですが、1台でもディスク破損が発生すると、データが見れなくなるというリスクの高いものです。ちなみに、RAID0の書き込み方法で耐障害性を確保したものが現在のスタンダードになるRAID5になります。しかしながらRAID5は、最小構成台数が3台必要となるため、2台構成のNASやサーバーでは使用することができません。2台でRAIDを構成する場合は、耐障害性を確保しているRAID1がお勧めです。現在RAID0で使用中の機器をRAID0からRAID1へ変更する場合は、既存データが一度完全に削除されるため、必ずバックアップを行ってからRAIDの構成変更を行うようにしてください。バックアップを取れていなかった場合、データ復旧のご依頼をいただいてもデータを取り戻せない可能性があります。ご注意下さい。